鉄のラインバレルの記事をにほんブログ村で探す ネタバレ
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†:本文。![]() 『厨二病』。 ネットでは『厨二病』という言葉が古くからあり、凡そ中学生時期にありがちな極大距離の理想、 または妄想と現在の自分とを中間目標無しで結び付け、現実の自分の満たされない領域を自己補完&完結し、他者と極度の差別化を測り特別な個を誇示する心理状態を表す言葉だ。 ![]() さらに、自らを物語の主人公に位置づけ演じる事で実在化を図り、理想との同一化を測ろうとすると『邪鬼眼』が発動する。コレは殆どの漫画アニメに拡大解釈すれば当てはめられる。 だが、実際は作品内の登場人物自体は厨ではない。 その作品ごとのキャラクターに与えられた必然的設定が存在している。 ![]() 作品に対して自分の思い通りに自己解釈・完結し、それと同一化を目論む受け取り側自身が、 『厨二病』なのである。 だが、この鉄のラインバレルはまさに主人公が『厨二病』。大抵の作品主人公には厨設定が付く。 一見して種類はあるが、どれも大同小異。 だが、早瀬と違う点は作品内で『厨二病』扱いされている事だ。 ギャグ漫画ではよくある事だが、一応のストーリー物では珍しいといえる。 ![]() 普通のファンタジーならば、最初からどんな特殊能力があろうと、 それが劇中では自然なものである為、周囲からは何も批判されない。 その社会の中で不自然ではなく、社会に対して説得力があるからだ。 ![]() コードギアスシリーズでは主人公ルルーシュ自身が自分を厨二病扱いしていた。 だが、彼の社会的評価を下す身近な人間からは言及される事は無い。 彼自身が、普段は普通の社会的生活を振る舞っているのと、 厨二病行動を行っている「ゼロ」の時には、実際に結果を出し、周囲を認めさせているからだ。 ![]() ルルーシュである時はそもそも指摘のしようが無い。 ゼロ時は現実と理想のギャップが様々な結果によって中継が結ばれ嘲笑の対象にならない。 さらにゼロの時は仮面により匿名性を利用しているので、発言と理想とにギャップを周囲に与えやすい「無力な学生」というカテゴリを取り払えている点も大きい。これらの点から 周囲には『厨二病』『邪鬼眼』と認識されていないから 劇中人物に言及されない。 ![]() だが早瀬は、現実でいわれる厨二病に近く、自らが考えた厨二設定を周囲にさらけだし、 その行為により、虐められている弱い自分と理想とのギャップを埋めようと測っている。 まさに実在に『邪鬼眼』が発動している設定に近い。 それを自分ではなく、周囲が評価している点、そして実際に能力が無い点、この二点により早瀬はラインバレルを手に入れるまでは、戦闘ファンタジーものでは稀有な、本当の『厨二病』といえただろう。 この瞬間「鉄のラインバレル」には唯一無二の特別性が付加されていた ![]() だが、その寿命は短い。 ラインバレルとファクターという、理想へのギャップを埋める本物の力を手に入れた瞬間、アニメ 「鉄のラインバレル」という作品から唯一無二性は奪われてしまった。 後は既存のバトル物のストーリーラインをなぞるしか道は無い。 「鉄のラインバレル」は物語が始まった瞬間に作品の持つ可能性を切り捨ててしまったといえる。 にほんブログ村 →記事が面白いと思われたら押していただけるとうれしいです。 |